特集|お正月の食空間テーブルスタイリング~ホテルライクなテーブルを作るコツ~【FSPJ × partycreation】
編集部トレンド • 2024/12/06 • Written by: partycreation編集部
こんにちは、partycreation編集部です。(https://party-creation.com/)
食空間のコンサルティングやスタイリング、スクール事業を手掛けていらっしゃる「食空間プロジェクト(FSPJ)」様とコラボレーションした特別企画。今月は、お正月の食空間テーブルスタイリングをテーマに、ホテルライクなテーブルを作るコツをお届けします。
FSPJ × partycreation presents.
「プロから学ぶテーブルコーディネート特集」
お正月の食空間テーブルスタイリング
~ホテルライクなテーブルを作るコツ~
◆ お正月のテーブルを作る時に意識する事
お正月は神様をお迎えし、新年の幸福を授けて頂く大切な行事です。
そのため、テーブルコーディネートの中でも、格式の高いものの一つです。では、テーブルコーディネートの格とはどのようなことを言うのでしょうか?「フォーマルな様式」ととらえると、イメージしやすいかと思います。
格式の高いテーブルにすることで、ホテルライクな特別な空間を作り出すことができます。さらに、お正月特有の縁起物を準備する事で、テーブルコーディネートに必要とされるトーキンググッズ(会話が弾むきっかけになるアイテム)としての役割も果たすことができるでしょう。
それでは具体的に、お正月らしさを演出する色・グッズをご紹介します。
<お正月テーブルの配色>
季節ごとの行事に関連する色を「行事色」と言います。各色に意味が込められています。お正月の行事色は 赤・白・金 です。赤は「喜び」、白は「始まり」、金は「豊かさ」を表しています。
<お正月のグリーン>
松竹梅、南天などがお正月に使われていますが、こちらも意味があります。
松は「長寿」、竹は「成長」、梅は「喜び」、南天は「難を転じる」とされ、縁起が良い象徴として古くから親しまれています。
<お正月の縁起物>
他にも、鶴亀や宝船、干支などの縁起物を用いることで、特別感も演出できます。また、お正月は祝箸として両口箸をセットするのが基本です。これは片方は神様が、もう片方は人間が使うためで、神様と人々とが同じものを共にいただくという「神人共食(しんじんきょうしょく)」を意味します。
ポイント:お正月のテーブルを作る時に意識する事は・・・
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◆ 和モダンテーブルコーディネートのコツ
続いて、お正月の和モダンテーブル構成について、3つの段階に分けて解説します。
①和食器だけでなくても大丈夫!異素材を用いてトレンド感を演出
お正月の和モダンテーブルコーディネートというテーマですが、全てを和食器にする必要はありません。折敷や珍味入れなどをポイントに使用することによって、上品な和のテーブルを演出できます。
また、磁器の器は格が高く、大いに活用したいところ。さらに、異素材を組み合わせてトレンド感をプラスするのもおすすめです。今回は、メインプレートの下に、同系色のモダンなガラスプレートを組み合わせました。また、酒器を置く台やワインクーラーなどには金属素材を使っています。
②直線を意識して取り入れる
テーブルランナーと折敷、和紙などで直線を意識してレイアウトしていきます。すると、メインプレートが洋のラウンドプレートであっても、キリッと締まったテーブルとなり、パーソナルスペースとパブリックスペースの区画分けも明確になります。
③色や素材の配分量を調節する
和モダンのスタイルは、色数を多用せず、色のメリハリをつける事がポイントとなります。花器やワインクーラーなどのゴールドの色も、紅白のテーブルの中で、アクセントとなっています。
また、色のバランスも大切なポイントです。赤・白・金のテーブルに漆素材の黒の分量が多いと主張し過ぎてしまうので、和紙を挟む事によって色分量を少なくしています。
洋である金属のスタンドや、花器にも和紙をかませて、洋の配分量を調節しています。高さがある花器には和紙の上から水引を結び、華やかなお正月の雰囲気を演出しました。
もう一つのポイントは、和のテーブルを華やかに魅せる時に使う「扇のナプキンワーク」です。そのまま折るとナプキンの面積が大きく、赤の色分量が多くなってしまうことがあります。その場合は、ナプキンリングを半分くらいまで通して倒し、そこから扇状に広げると、小さめの扇が作る事ができます。自分のイメージした色の配分量でナプキンワークを行いましょう。
ポイント:和モダンテーブルコーディネートのコツは・・・
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◆ ホテルライクなお正月の食空間テーブルの解説
ホテルやレストランのようなテーブルコーディネートを目指す場合、家庭のテーブルと比べて、何を意識してセッティングすれば良いでしょうか?
まずは、高さを意識してみましょう。テーブルコーディネートでは、高さを出して華やかさに演出することはテクニックの一つです。ただし、ディスプレイ用のテーブルとは異なり、実際に食事をするテーブルの場合は、会話を妨げないように、目線の高さ以上は物を配置しません。テーブルに肘をついて拳一つ分まで(約30㎝)と言われています。
それから、入室して来た時の第一印象で「お正月の特別な空間」であることを感じて頂く事が重要です。そのために、入室して一番テーブルの奥に、目線として華やかなアレンジを置きます。もし、テーブルに高さの出るアレンジを置くスペースが無い場合は、壁などに立った時の目線の位置にお正月らしい飾りを設置して、食空間全体のバランスを取る事が大切です。
箸は人と食べ物の結界であり、自分側が生で、結界をわって命を「いただきます」と言う意味となります。
和食の場合、箸を横に置くのが基本ですが、和モダンの場合は他のカトラリーと並べるため、箸は縦に置きます。その場合、箸でオードブルを摘まむ事が想定されるので、一番右端に並べる事が一般的です。また、箸置きをお正月モチーフにする事で、テーブル上で目を楽しませることもできます。和紙で折り鶴の箸置きを作るなども効果的です。
大まかに色の配分や、各アイテムのセッティングを行った後、細部の処理を丁寧に行う事が、ホテルライクなーブルコーディネートに繋がります。
例えば、今回のコーディネートでは、金属のワインクーラーの脚元を和紐で結び、足元をそのままにしない配慮をしました。ワイン自体の脚元にも花をあしらい、テーブル全体で花を生けていくとより華やかに見せることができます。
ガラスの花器も同じように脚元を意識してみましょう。生花の場合、水が入っていますが、今回はアーティフィシャルフラワーを使用しており、ガラスの花器ですと中が全て見えてしまいます。中の枝の切り口が見えないように、ガラスやアクリルで出来たフェイクのロックアイスなどで底を埋めるのも効果的です。
また、背の高い花器を1つだけレイアウトするのではなく、大小2つの花器を並べる事でリズムも生まれ、立体感と奥行きのある華やかなアレンジとなります。さらに重ねて高さを出した盃を配置する事で、花器の脚元を安定させています。
最後に、全てのセッティングが終わった後、テーブルから数歩下がった位置から、全体のバランスと、切りっぱなしの部分や隠しておきたい所などが見えていないか、客観的にチェックしてみましょう。特に、和モダンのコーディネートは、熟考して準備していたアイテムであっても、引き算した方が良い事もあります。最後の客観視がワンランク上のテーブルを作り上げます。
ポイント:ホテルライクなお正月の食空間テーブルは・・・
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◆ 今回のコーディネートで使用したレンタルアイテム
コーディネートで使用したアイテムは、こちらのページでレンタル可能です。
https://party-creation.com/gallery/91
最後までお読みいただき有難うございました。
次回の記事もお楽しみに!
■特集協力
食空間プロジェクト(FSPJ) https://www.fspj.jp
東京・銀座を拠点とする、食空間コンサルティング・スタイリングディスプレイ・ メディア協力等を行う、食空間専門のプロデュース会社。
様々な業界・企業や商業施設における食空間企画・演出を手掛ける他、一般向けには「FSPJテーブルコーディネートスクール」を運営している。
■コーディネート・執筆担当
杉崎裕美|Yumi Sugizaki
食空間プロジェクト(FSPJ)認定講師・コーディネーター
自宅にてテーブルコーディネート&おもてなし料理の教室を主宰。パーティーがより華やかに彩るテーブルコーディネート&デコレーションを得意としています。
料理講師やフードコーディネートの業務に携わっているため、フードがより映えるテーブルコーディネートを心掛けています。長年企業に勤めてきた経験から、企業様へのイベント装飾などもコンセプトを活かして行います。家庭向けでは、日常の忙しさの中でも気軽に効率良く食空間を彩るコツを、レッスン致します。
▼前回までの特集記事は、こちらでご覧いただけます。