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インタビュー|新しい体験価値で顧客を呼び込む。ワールドサービスが始めた「アウトドア事業」

編集部トレンド • 2024/07/03 • Written by: partycreation編集部

partycreationを運営するワールドサービスは、創業31周年を迎え、結婚式やイベントを特別な記念日として演出するテーブルクロスや卓上アイテムなど「パーティーアイテムのレンタル事業」で成長を続けてきました。

しかし、世界的なパンデミックの影響で、結婚式やイベントそのものが消失し、長らくパートナーとして共に歩んできたホテルやイベント施設も減収を余儀なくされました。

そんな業界の冬の時代を打破するべく、立ち上がった新プロジェクトが「ホテル施設等の遊休スペースを活用したアウトドア事業」です。

事業立案者である茶谷社長に、新事業に込めた想いと運営を開始したホテル施設での事例、反響についてお話を伺いました。

 

■ 長らくウエディング向けのサービスを展開されてきたワールドサービスが、なぜ「アウトドア事業」に着目したのか、そのきっかけについて教えてください。

きっかけは、いくつかの「ご縁」が重なったことが発端になっています。

2020年に、大阪にある老舗のケータリングサービス会社(昭和フード株式会社)の事業承継を行いました。パーティーアイテムのレンタルやイベント・空間プロデュース、そして施設運営を行ってきた弊社としては、ケータリングサービスは相性も良く、事業シナジーを見込んでグループ企業に参画いただきました。しかしM&A直後にコロナ禍に突入。売上はゼロになり、元々在籍していた従業員も退職するなど、非常に切迫した状況が続きました。

どうにか売り上げを作らなければと考えていたところに、今度は弊社が本社を置く大阪府泉佐野市に近くで、公民連携の大規模な公園整備事業の開発・オープン情報をキャッチしました。元々やりたいと考えていたアウトドアウエディングを実現するのに、立地も景観も最適な場所だと思いまして、運営をお任せいただけないか民間側の代表企業に直接話をしにいきました。

結果的にアウトドアウエディングをやるならば、他の施設運営もやってくださいよという話になり、バーベキュー・アスレチック・グランピングの3つの施設を受託運営することになりました。調理関連の運営は、先に子会社化していた昭和フードが担いました。このようなご縁とタイミングに恵まれながら、自ずからアウトドア事業に参入しました。

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■ 厳しい環境に置かれながらも、新しい事業に挑戦し続けたのは企業努力そのものですね。さて、そこから「ホテルの遊休スペース × アウトドア」の事業化に踏み切ったのも大きな決断だったと思います。その背景を教えてください。

アウトドア施設の受託運営を経て、その後、直営施設でもバーベキューを主軸としたアウトドア事業をスタートさせました。それらの経験を通して、食事の提供方法や空間演出次第で、新しい顧客が獲得できると確信しました。

新しい顧客というのは、アウトドア空間で特別な食事を楽しむことに価値を感じてくれる人たちのことです。この体験価値をベースに、好立地で知名度があるホテルという場所を掛け合わせたら、もっと顧客を引き寄せることが出来るのではないかと考えました。

有難いことに、弊社は日本全国のホテル施設とお取引がありますので、日々、現場や経営の課題を見聞きする立場にあります。コロナ禍で、人が集まる宴会はおろか、外出自体が禁止され、ホテル施設は苦境に立たされていました。稼働しないスペースをいかにマネタイズするか、業界全体が悩んでいたのです。

その折に、コロナ禍を逆手にとって流行を加速させていたのがキャンプやバーベキューといった屋外レジャーです。密にならない少人数のアウトドアやソロキャンプなどが盛り上がりを見せていました。改めて調査したところ、アウトドア用品やウェアの市場も拡大の一途だということが判明しました。

業界の課題を解決できるのは「遊休スペースの活用 × アウトドア」ではないかと仮説を立て、機材レンタルから、空間プロデュース、受託運営を含めた事業プランを作って、営業活動を開始しました。

スキーム-1▶ ワールドサービスの「アウトドア事業スキーム図」

■ 営業活動をはじめて、施設各社の反応はいかがでしたでしょうか?

興味を示してくれる施設は複数ありました。というのも、かつて大型のホテルなどでは、夏の風物詩としてビアガーデンイベントが行われていて、専用スペースもありました。屋外に簡易的なテーブルと椅子を備え付け、肉や海産物をコンロで網焼きしながら、お酒を楽しむといった内容。少し前は会社の飲み会に使われていましたよね。

しかし、ハードもコンテンツも昔ながらのままで、これに一人あたり8千円から1万円の費用がかかる・・・価格に価値が見合っているのか、アウトドア運営を行うようになったことで、疑問に思うようになりました。実際、若者はオクトーバーフェストのような新しいイベントに流れていってしまい、ホテルのビアガーデンには来なくなっていました。そしてコロナ禍でビアガーデンイベント自体が消滅し、屋外スペースはそのままにされていましたので、ここを有効活用しようというアイデア自体は、話を聞いて下さったホテル関係者の方々も、すぐにご理解いただけたように思います。

とはいえコロナ禍で、なかなか新しい事業にチャレンジするには慎重にならざるを得ない雰囲気が業界全体にありました。しかし、そんな厳しい状況でも未来に向けて投資しなければ、何も得られないという意識は皆さんお持ちでしたので、まずはスモールスタートでやってみようということでタッグを組んだのが神奈川県横浜市のホテルになります。

■ サービスインから順調に成果が出たのでしょうか?

初年度はなかなか利益を出すのが難しかったです。というのも、最初は基本的な運営をホテルが行い、弊社はアドバイザー的な立ち位置とグリルやソファの設備レンタルを担う役割で事業がスタートしました。当初の運営プランでは、施設内レストランと同等のサービスクォリティを追求していたため、食材や食器、人員配置に至るまで高コストになりすぎていました。価格を損なわないレベルでバランスを取り、簡略化できる部分が多分にあることも率直にアドバイスさせていただきました。そして、途中からは受託型で運営を任せていただき、軌道修正しながら、利用者を定着させていきました。

運営を開始して1年が経過し、これまでホテルに来なかった層を取り込めるようになったことは、ホテル側も大きな成果として捉えていただいています。

開催時間を夜だけでなく昼に拡大したり、スポーツ団体やアーティストとの限定コラボレーション企画を開発したりして、絶えず内容の充実化を図って、顧客層を広げています。


■ 横浜市のホテルに続いて、他の施設でも受託運営モデルが採用されて、サービスがスタートしていると伺っています。状況はいかがでしょうか?

成功事例をトレースしながらも、その施設の個性に当てはめた企画を考えて運営をしています。実は、この方法は、我々が30年以上に渡って手がけてきた「ウエディング向けの空間マッチングやコーディネート」と本質は同じでした。

お客様の求めるものは社会背景やトレンドと共に変化していきます。そのニーズを把握しながら、時にお客様の期待を超える提案をしていく。これまで培った企画開発力と提案力が、このアウトドア事業に生きています。

■ アウトドア事業について、目標や展望がありましたら、教えていただけますでしょうか

直近では、大阪万博の開催を見据えて、会場隣接のホテルで、アウトドア食事施設の運営準備を進めています。そこでは万博のコンセプトにちなんだ「世界各地のバーベキュー」が楽しめる食事プランを展開予定です。来日する万博関係者、観光客の皆様にご利用いただけたらと考えています。

冒頭にも申し上げた通り、企画や演出次第でお客様の体験価値は向上します。「空間が味を変える」くらいのインパクトがあると我々は信じています。

アウトドア空間はまだまだ可能性を秘めています。ホテルの遊休スペース活用だけでなく、遊園地やプールで特別なスイーツを楽しむプランがあってもいいのではないでしょうか。新たな需要創造にチャレンジしたい企業や施設パートナー様がいらっしゃいましたら、是非弊社にご相談をいただければと思います。

事例紹介
ホテル施設内の遊休地を利活用した代表的な事例を2つご紹介します。

<事例1> 神奈川県横浜市・新横浜プリンスホテル
複数の線路が乗り入れる新横浜駅から徒歩2分の都市型高層ホテル
施設名「ROOF TOP BBQ|BREEZE TERRACE SHINYOKOHAMA」
blog_photo_02-1◎有効活用した屋外スペースは?
ホテル7階の屋上をバーベキュー施設としてワールドサービスが受託運営。

◎ゲストが集まるポイントはここ!
・開放感溢れるルーフトップで非日常のアウトドア空間をトータルコーディネート。天幕やカーテンを設置したことで天候を気にせず運営可能に。
・本格派のアメリカンガスグリルやラグジュアリーなソファシートを設置し、従来のビアガーデンのイメージを一新。
・「あおぞらを楽しもう」をコンセプトに、夜だけでなく日中も営業拡大。
・近隣の大型イベント施設と連動したコラボレーション企画(有名スポーツチームや音楽アーティストなど)を頻繁に実施し、多様な顧客層を取り込んでいる。

 
<事例2>千葉県成田市・ANAクラウンプラザホテル成田
成田国際空港から至近距離に位置し、国内外のゲストが集うホテル
施設名「THE BBQ YARD|GROVE HILLS NARITA」
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◎有効活用した屋外スペースは?
ガーデンスペースをバーベキュー施設としてワールドサービスが受託運営。

◎ゲストが集まるポイントはここ!
・四季折々の自然が広がるガーデンスペースに、日よけルーバーを完備した食事スペースを設置。
・ゆったりとしたソファー席で楽しむ「ラグジュアリーエリア」と、皆さまで炭火バーベキューを囲める「カジュアルエリア」を設けて、人数や用途に応じたプランを提供。
・食材持ち込みも可能で、近隣のマルシェで購入した食材など、食べたいものを自由に楽しめる手軽さがうけ、地域住民の利用も多い。
・地産地消を推進し、地域の農家参画によるベジタブルマルシェや季節イベントも開催。

 

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