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特集|ビュッフェテーブルスタイリング~料理が主役の洗練テーブルを作るコツ~【FSPJ × partycreation】

作成者: partycreation編集部|2025/10/06

こんにちは、partycreation編集部です。(https://party-creation.com/

食空間のコンサルティングやスタイリング、スクール事業を手掛けていらっしゃる「食空間プロジェクト(FSPJ)」様とコラボレーションした特別企画。

今月は、ビュッフェテーブルスタイリングをテーマに、料理が主役のテーブルを作るコツをお届けします。

 
 

FSPJ × partycreation presents.
「プロから学ぶテーブルコーディネート特集」

ビュッフェテーブルスタイリング
~料理が主役の洗練テーブルを作るコツ~

 

目次

 

◆ ビュッフェテーブルを作る時に意識する事


ケータリングの現場で最も大切なのは、作り上げた料理を「いかにおいしそうに見せるか」ということです。どれほど手間をかけて完成させた料理でも、置かれる環境や舞台によって印象は大きく変わります。だからこそ、ビュッフェテーブルのデザインはケータリング業者にとって欠かせない要素です。

テーブルは単なる置き場ではなく、料理を主役として引き立てる舞台。什器や装飾はその背景であり、華やかさを添える存在ですが、あくまで料理こそが主役です。料理を最大限に輝かせるコツがあります。

今回はオールシーズン、どんなオケージョンにも馴染む「料理が映えるビュッフェテーブル」をテーマに、partycreationの什器を用いながら「モダンエレガント」なスタイルを実現するため、始めに意識しておきたい3点をご紹介します。

ビュッフェテーブルを作るために意識しておきたい3つのこと
  • 作り上げた料理を主役にすること
  • スタイルを決めて、それに沿ったスタイリングにすること
  • クライアント様、目的、季節など会のコンセプトが伝わるテーブルにすること

それではこの3点を念頭に、モダンエレガントなビュッフェテーブルの作り方を解説していきたいと思います。




◆ モダンエレガントなビュッフェテーブルのポイント

ビュッフェテーブル構成について解説します。まず大前提として、ビュッフェテーブルは着席スタイルの食卓とは異なり、ゲストが立ち歩いて料理を取りに来る舞台です。そのため、ゲストが立っている目線で印象的に見える景色を意識することが何より大切です。ゲストの視線の先にアクセントを設けてみましょう。

それでは、ビュッフェテーブルを制作する際に気をつけておきたい3つのポイントをご紹介します。

①スタイルを決める~モダンエレガントとは
今回のテーブルでは、白を基調としたクロスに木目とブラックフレームの什器を合わせ、どのシーンにも馴染むモダンエレガントな雰囲気を演出しました。モダンエレガントとは、上品さ、優雅さであるエレガントと、現代的、機能的なモダンを組み合わせたスタイルです。ホワイトやペールトーンを基調としつつ、女性的なディテールを持ちながら直線的なラインを取り込んでいます。過度に装飾せず、シンプルで洗練された料理を引き立てるスタイルを指します。


②フォーカルポイントを意識する
ビュッフェテーブルは着席スタイルの食卓とは異なり、ゲストが立ち歩いて料理を取りに来る舞台です。そのため、立っている時の目線にフォーカルポイントを置くことを意識することが何より大切です。テーブルコーディネートでのフォーカルポイントとは印象的に見える装飾です。一般的に150cm前後に視覚的なアクセントを配置すると、ゲストの視線が自然に引き寄せられます。

今回のテーブルでは、Topの位置にランプシェードと企業ロゴを入れたフォトフレームを配置しました。これらのアイテムも、モダンエレガントのバランスを崩さないように、金の色味を抑えた上品なトーンを選択。ランプの細身のステムやフレームの厚みなど、線の細さにまで配慮し、全体的に軽やかで洗練された印象を与えるように工夫しています。

③料理を主役にした華やかな景色にする
写真をご覧いただくとわかるように、ネストテーブルやプレートスタンドを組み合わせることで立体感のある構成を生み出し、中央の料理を引き立てています。料理が重ならずに全て見渡せるレイアウトにすることで、フードの色により華やかさを演出します。さらに、スタンドの上にはランプを置いて高さを出し、空間全体にリズムをつけました。こうして料理・什器・光の演出が一体となり、テーブル全体が「料理を主役にした華やかな景色」として完成しています。

現場でのスタイリングでは、設置が完了したら必ず数メートル下がり、ゲストの目線や動線を意識して全体のバランスを確認することが大切です。作業中の至近距離では気づきにくい不均衡や修正点も、離れて見ることで気づくこともあります。そのため、正面だけでなく斜めや横など、いくつかの方向から視点を変えてチェックすることをお勧めします。


ポイント:モダンエレガントなビュッフェテーブルを作るコツは?
  • 白基調のクロスでシンプルで洗練されたモダンエレガントで料理を主役に
  • ゲスト目線の高さ(150㎝)にフォーカルポイントを置く
  • ネストテーブルやスタンドで高さと立体感をつけ、料理の色と光を活かす
  • 設営完了後は、多方向の離れた位置から全体を確認する

 

◆ ビュッフェテーブルの視点 – 「料理が映えるコツ」の重要性

ゲストやケータリング業者にとって、最優先すべきは料理そのものです。料理が主役である以上、テーブルスタイリングは黒子のように料理を引き立てる役割を担います。料理の色彩や立体感が最大限に映えるかどうかは、ビュッフェテーブル上のアイテム選びにかかっていると言っても過言ではありません。

今回のセッティングでは、プレートスタンドヘキサゴンを用いて高低差を生み出しました。高さの異なる六角形の三段構成は、自然と三角形の構図をつくり、視覚的に安定感を与えます。三角形の構造は人の目に心地よく、特に写真撮影においても構図が決まりやすいのが魅力です。


料理の配置にも工夫を凝らしました。最上段にはロゴが入ったピックが挿してあるフードで高さと華やかさと取りやすさを兼ねそろえ配置しています。中段には器に入っている安定感のあるフードを、下段にはトングを使用するフードをレイアウトすることで、ゲストの視線と動作が自然に誘導されます。

さらに、光の演出も忘れてはいけません。ガラスランタンにキャンドルを灯し、温かみのある光で料理を包み込むことで、空間全体に華やかさと落ち着きを同時に与えました。料理を目立たせるだけでなく、ゲストが写真に収めたときに「美しい一枚」として残るよう計算されています。光の演出は時間の経過により、ゲストの心に印象づけることも可能です。



ポイント:料理が映えるコツは?
  • 料理が主役、テーブルコーディネートは黒子として引き立てるための重要な役割
  • スタイリングに高低差をつけ、三角構図にする
  • フードの配置は見映えだけでなく、フードの取りやすさやも考慮し、各段に何を置くかを決める
  • 灯りで料理と空間の演出を華やかに見せることもテクニック

 

 

◆ 料理を活かすテーブルコーディネート – 機能美と柔軟性

料理を映えさせるためのテーブルコーディネートとして選んだアイテムをご紹介します。

<プレートスタンドヘキサゴン>
高さの異なる三段構成により、立体感と三角形の安定構図を自然につくり出せます。通常であればアクリルボックスや本を重ねて高さを補うところを、この什器ならそのまま置くだけで必要な高さを演出可能。装花やランプを加えることで、ゲストの目線に届く150cmの高さを実現し、料理と装飾をバランスよく見せます。ステムと呼ばれる脚の部分はアイアンを使用していて、洗練された印象で使いやすいアイテムです。



<ネストテーブル>
今回はサイドテーブルとして、大中小のネストテーブルを使用しています。入れ子構造で省スペースに収納でき、設置時には自由なレイアウトが可能です。一列に並べればシンプルでスタイリッシュに、円弧状に並べれば中央に装飾を加えた華やかな雰囲気に。会場の広さやゲストの動線に合わせて自在に表情を変えられる点が魅力です。

ドリンクビュッフェ台、カトラリー&ナプキン台、デザート台、などそれぞれのサイドテーブルに役割を持たせて分けることができます。ドリンクやデザートを分散して配置することで、ゲストが自然に流れるような導線を生み出しています。天板と脚のアイアンをプレートスタンドヘキサゴンと同じ物を使用しているため、トータルコーディネートしやすいと思います。


<クーリングプレートとウォルナットウッドスタンド>
クーリングプレートとは、事前にプレートを冷やすことにより料理の適温を守りながら美しく見せることができる機能美の象徴です。冷やさず使用しても、大理石調の天板は、高級感を醸し出し、フォーマルな場にも映えます。
ウォルナット色のウッドスタンドは複数重ねることで高さ調整が可能で、ケースとしても活用できます。ウォルナットは高級感がある色味のため、ナチュラルスタイルにも、今回のようなモダンスタイルにも合う「料理を主役に見せるための仕掛け」として欠かせない存在です。使用什器の天板や側面の質感によってビュッフェテーブルの格が決まると言っても過言ではありません。



ポイント:料理を活かすテーブルコーディネートとは?
  • 三段プレートは高さを出すだけでなく、三角形の安定構造も作り出せる便利アイテムです。
  • サイドテーブルを複数個使うことにより、ゲストの動線を作り出せたり、ビュッフェテーブルの混雑を緩和させることもできます。
  • 使用什器の天板や側面などの質感により、ビュッフェテーブルの格が決まります




◆ まとめ – どの場面にも合うベースと差し込みの工夫

今回ご紹介した3つのポイントは、すべて「料理が主役」という視点に基づいています。

  • モダンエレガントなスタイルの定義を体現した全体のテーブルデザイン
  • 料理を映えさせるレイアウトの重要性
  • 料理を支える什器の機能美と柔軟性

 

これらを組み合わせることで、全ての季節・全てのシーンに対応できる「料理が映えるビュッフェテーブル」が完成します。

今回のテーブルはどんなイベントにも合うベースデザインです。そのうえで、クライアントの特有のコンセプトがある場合には、ロゴやブランドカラーの装花やアイテムを入れ込む。季節感を出したいときは、各季節の枝物や季節のイメージカラーのキャンドルを差し込むだけで完成度がさらに高まり、個性を出すことができます。ただし、差し込みはあくまで控えめに。料理が主役であることを崩さず、料理をより美しく見せることがモダンエレガントの鉄則です。
画像にあるように、光・什器・料理が一体となったテーブルは、ゲストの心に残る体験を生み出します。料理をよりおいしそうに見せることこそビュッフェテーブルの醍醐味です。



◆ 今回のコーディネートで使用したレンタルアイテム

・ランタン「フレームベースリゾット」
https://party-creation.com/product/582?color_id=30
・卓上装飾「ヘキサゴンスタンド」
https://party-creation.com/product/614?color_id=22
・カトラリー「ゴア」
https://party-creation.com/product/322?color_id=32

※リンクがない商品(partycreationに掲載がない商品)で、レンタルをご希望の方は、お手数ですが お問い合わせ よりご連絡ください。


最後までお読みいただき有難うございました。
次回の記事もお楽しみに!


■特集協力


食空間プロジェクト(FSPJ) https://www.fspj.jp

東京・銀座を拠点とする、食空間コンサルティング・スタイリングディスプレイ・ メディア協力等を行う、食空間専門のプロデュース会社。
様々な業界・企業や商業施設における食空間企画・演出を手掛ける他、一般向けには「FSPJテーブルコーディネートスクール」を運営している。



■コーディネート・執筆担当


杉崎裕美|Yumi Sugizaki
食空間プロジェクト(FSPJ)認定講師・コーディネーター

自宅にてテーブルコーディネート&おもてなし料理の教室を主宰。パーティーがより華やかに彩るテーブルコーディネート&デコレーションを得意としています。
近年は料理講師に加え、ドラマや映画、大手企業様のプレス向けフードコーディネートの業務に携わっているため、フードがより映えるテーブルコーディネートを心掛けています。家庭向けレッスンでは、日常の忙しさの中でも気軽に効率良く食空間を彩るコツをお伝えしています。




▼前回までの特集記事は、こちらでご覧いただけます。